【紅音】「んむっ…はぷっ………」
熱い舌が、何度も肉茎の上を往復する。
優しく。
情熱的に。
嘗めて、それをこそいでくみたいな風に。
紅音は、恥じらったり戸惑ったりするワリには、意外なくらい積極的だった。
教えてもいないのに、自分からこの格好になった。
そして、大胆にも俺のを、自ら舌で愛撫し始めた。
その舌や指の動きは、まだ辿々(たどたど)しくて、慣れていないのは明白だった。
それでも、その能動的な姿勢だけで、十分に煽情的だった。
白嶺では、大人しい優等生のフリをしてる紅音が、子犬みたいに俺のをしゃぶってる。
なにより、目の前で揺れてる、魅惑的な部位の無防備さが、否応なく欲情を煽(あお)る。
【紅音】「……ねえ、くーちゃん」
不意に、その動きが止まる。
紅音は、握ったペニスから舌を離すと、俺に訊(き)いた。
【ソラ】「何?」
【紅音】「………あの時、何で私としたの?」
「あの時」───
それで連想される場面なんて、この状況じゃ一つしか思い浮かばなかった。
【ソラ】「……………」
俺は、その時の光景――――紅音をここで組み敷いて、犯した時の自分を、脳裏に浮かべた………