気が付くと、焼け跡に一人で立っていた。
ドレスは焦げたぼろきれみたいになっていて、その下の身体は傷一つなく修復が終わっていた。
「………」
焼け残った壁の一部に突き刺さっていたセキシキを引き抜くと、ばらばらと黒炭がこぼれ落ちた。
それがきっと、あの女の末路の姿なのだと理解して、私は剣を元の場所へとしまった。
時間をムダにしてしまった。
けれど、分かった事もある。
あの街には、何かがある。
今まで消えた同胞と、そして彼女がここまで固執したものが、あの地にはあるのだ。
それはきっと、私の探しているものと同じもの。
私のずっと探している“真実”と同じものなのだと、その時私は思ったのだ………