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はじまりました。
『今週のブラディオン!』皆様のお相手は、いつものように楠カヱデと……
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なんだいきなり?
先週の続きって……なにか話すこと、あったかな?
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ずばりいいます!
先週の口ぶりから、三尉と他のご兄姉との間に、
ただ事ならぬ出来事があったように聞えました。
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で、ですよねー (案外あっさり認められて拍子抜けした態で)
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なにがあったのか、今日こそ教えてもらえませんでしょうか?
それを皆様にお伝えすることこそが、この広報番組の存在意義であります!
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さらに、それだけではなく、この『ブラディオンベーダ』という物語を
理解する上で、重大な第一歩となるような気がするのです!
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なるほど。
おれの封印しておきたい過去を曝くことが、カヱデのいまの使命だというわけだな?
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曝くというのは、人聞きが悪いですが……その通りであります。
(即席のジャーナリスト魂を剥き出しにして)
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実は、兄姉全員と仲が悪かったわけじゃない。
おれのことを理解してくれる兄姉もいた……(遠い目)
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『小萠』という一番上の姉は、おれのことを本当の意味で理解してくれた
……まあ、天涯孤独のおれにとっては、まさに姉のような存在だった。
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ですが、その小萠という人とは、もう連絡を取っていらっしゃらない?
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こんなところで悲しい話をするつもりはなかったんだが、
掘り返したのはカヱデの方だからな。
最後まで責任をもって聞け。
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ふっ……。別に、いまさら隠してもしょうがないことだ。
いつかカヱデにも話そうと思っていたが、機会がなくて話せなかっただけだ。
こいつをみろ。
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おれのことを唯一理解してくれた小萠のなれの果てだ。
おれが、駆けつけた時には、既に殺されていた。
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そいつをずっと追っている。
大体、犯人はわかっているんだが……いまのおれには、犯人の居場所を突き止めることも、手出しすることも出来ない。
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(つまり、犯人は……三尉のご兄姉のうち誰か、ということなのでしょうか?)
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なぜなら犯人は、『ASC』という厄介な兵器を使って、『神術』という技を駆使する。
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ASCや神術に関しては、もっとあとの方で説明しようと思っています。
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そうだな。難しい話は、いまは置いておいて……。
この『ブラディオンベーダ』は、藤代直人の仇討ちの物語だと思ってもらえれば わかりやすいだろう。
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仇討ちと聞くと、随分時代錯誤な気がするかもしれないが、どんな時代も、
死というものは回復不可能な現象であり、生物に感情がある限り、
仇討ちや復讐という言葉は、消えることはない。
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近代では、個人の復讐を認めない代わりに、国家が犯人を捕まえて復讐権を行使している。
だが、公権力に犯人を捕まえて、処罰を与えることが出来ない場合はどうする?
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国にやれないのでしたら……個人でやるしかありません。もしくは、諦めるか……
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たとえ希望が薄くても、最後までしぶとく悪あがきをするのも、感情を持つ生物らしいだろ?
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というわけだ。
『ブラディオンベーダ』がシンプルな敵討ちの話で終わればそれに越したことはない。
……いや、終わることを祈ってるがな。
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(この口ぶり。きっと波乱が起こることを見越しているのでありますね)
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三尉の目的、よくわかりました。小官も、全力でお手伝いさせていただきます!
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