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さて、はじめまっ……ごほん。
はじまりました『今週のブラディオン!』
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お送りするのは、前任者の楠カヱデから司会を引き継いだこのわたし『霧生紫音』だ。
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普段は、警察組織で働いているが、プロデューサーの熱望によって
CIROの広報番組を担当することにした。
よろしく頼むぞ。
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今日はゲストが二人いるが、その前にわたしの自己紹介をしておこう。
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さきほどもいったように、普段わたしは、警視庁の警備課で働いている。
市民の安全と、都市の治安を守るために部下たちを率いて、
毎日遅くまで悪を退治し続けている。
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警察に入る前は、なにをしていたかって?
それは簡単。そこに座っている二人と同じく、軍にいたんだ。
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しかもわたしは、直人と同じ『神術兵特務部隊《ネフィリム》』の一員として、
楽しくもない軍隊生活を送っていた……
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ではつまり……紫音警部と藤代三尉は、『ご兄姉』なのですか?
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兄姉? 直人がそういったのか?
ふっ……そんな生温いものではない。
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直人とわたしは、一心同体。兄姉を超えた仲だ。
戦場でも、訓練でも、どこに行くにも常に一緒だったさ……。
訓練でかいた汗を流すために、隣同士並んでシャワーを浴びたこともある。
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おい。誤解を招くようないい方はやめろ。
おれと紫音は、確かに血の繋がりのない『兄姉』だったし、訓練する時もずっと一緒だったが、
それは上官の命令で組まされていただけのこと。
あくまでも命令で一緒にいただけなんだ。
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直人は照れ屋だからな。公然の場で己の本心を打ち明けることはない。
むしろ、思ってもいないことを口にして、話をはぐらかそうとする。
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はははっ、照れるな照れるな。
お前のことは、なんでも知っているんだ。
いまさら、取り繕っても無駄だ。
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(この二人、元同じ部隊にいただけあって、気心が通じ合っています。悔しいであります……)
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軍にいたころの直人は、わたしの相棒だったが、軍から離れたいまは頼りない弟同然。
もっと姉であるわたしを頼ってもいいんだぞ?
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そうだな。地球に巨大な隕石が降ってきそうになったら、相談させてもらうよ。
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(この様子からして、三尉の大切な人の命を奪ったのは、紫音警部ではなさそうでありますが ……なぜ、三尉は紫音警部の力を借りようとしないのでしょうか?)
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直人も、さっさと内閣情報調査部という下らない組織から抜け出して警察にこい。
わたしの部下になれば、色々と優遇してやるぞ。
たとえば、3回までなら人殺しを見逃すとか……
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おやおや。冗談の通じない奴が一人混じってるなぁ。
これから先、一緒にやっていけるか不安になったぞ?
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(くっ。この二人、なんだかんだいいながら、仲がいいであります!
ですが、負けません! パーソナリティーに返り咲くまで、頑張ります!)
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